駿河湾エリアでの深海釣りといえば御前崎沖や天竜沖などのフィールドが有名だが、沼津から焼津にかけての沖は海岸より急深な地形となっており、航程20〜30分の程近い場所にアコウのポイントが点在していることは意外と知られていない。
近場の釣り場とはいえ、釣れるサイズは意外にも1.5〜3キロ級の良型が主体。5キロ級の大型も珍しくない、まさに"穴場"といえるフィールドだ。  







オモリは鉛なら500号、鉄筋なら1.8〜2キロを使用する。
また、良大型のアコウが複数掛かった時の荷重は相当なもの。
今回はグラス製ならではの粘り強さと柔軟さに優れた泳がせ大物対応ロッド、『パワーファイターGONG230-H』に巻き上げパワーとドラグ性能に優れたリール、『コマンドX10(24V仕様)』をセレクトした。




  幹糸20〜30号1.5メートル前後間隔、ハリス14〜16号70〜80センチ、ハリはムツ20号。
外海でのアコウ釣りは15〜20本バリ仕掛けで釣るのが一般的だが、当地ではハリ数は5本から多くても10本で十分だ。
エサはイカやサバ、カツオ腹身の切り身を使う。エサと併せてアミノ酸を配合した『イカキッタン』を付ければ集魚効果もUPする。
また、仕掛け上部には『フラッシュカプセルDXタイプ』を装着すればさらに集魚効果が高まる。
アコウ釣りの必需品だ。

ヨリトリパーツ
道糸と仕掛けの接続部には『キャラマンリングI型』と『ヨリトリチェーン6×5』を介し接続すると仕掛けの回転によって道糸にヨリが伝わることが防止できる。深場釣りの必需品といえよう。




  隔週間つり情報の取材も兼ねて釣行したのは最盛期間近の2月中旬。
当日は冬型の気圧配置も緩み、絶好のコンディションの中、清水港の公翔丸での出船となった。
釣り場までの航程はわずか20〜30分。
石垣イチゴで有名な久能山を目の前に望む素晴らしいロケーションの中で当日の釣りは開始された。
水深450メートルでの1流し目から同乗者に2.5キロ級の良型が2本掛けで浮上!幸先の良いスタートと思われたが、「潮が流れてないから全員にアタらないね」と船長。
2流し目。私の竿にアタリ。『パワーファイターGONG』の敏感な穂先は傍目から見てもハッキリと分かるくらいに明確にアタリをキャッチしてくれる。
巻き上げ時も船の揺れ、途中の魚の抵抗を柔軟なアクションと『コマンドX10』の滑らかなドラグ性能が難なく吸収し、バラシの心配は無用だった。
浮上した本命アコウは2キロ弱級のサイズだったがまずは嬉しい1本だ。
しかし、潮がピタリと止まってからは沈黙の流しの繰り返し。
船長は釣り場を更に15分ほど西の550メートルダチのポイントに移動させた。
この移動が吉と出て、トモ側の同乗者2名に1〜3キロのアコウが2本づつ釣れ上がった。
これに気を良くして「もう1回残業だ」と船長。
この流しではミヨシの同乗者に最初のアタリ。
続いて2番目の私、そしてトモ側の同乗者へとアタリが伝染していく。
『パワーファイターGONG』もバット部分から綺麗な弧を描き複数の魚が掛かっていることを表現して"見る釣り"も楽しませてくれ、深場釣りが大好きな船長からも「これはイイ竿だねぇ」とお褒めを戴く。
巻き上げが止まると仕掛けが沖に流れ出し、その先にボコンッボコンツと3本のアコウが列をなして浮上。
同乗者のアコウも浮き並び真紅の提灯行列は壮観そのもの。
当日の乗船者4人の釣果はミヨシから4、4、5、5本。
数字ではイマイチだったが、釣れたサイズは2キロ級平均。
同乗者には5キロの大型も上がったので納得の沖揚がりとなった。
三保沖のアコウの最盛期は3〜5月。
昨シーズンの釣行では良大型ばかりを私は26本上げた日もあり、そのほか竿頭で30本を超える日も多々あり、今後は目が離せない釣り場となりそうだ。


清水港 

 TEL 0543−66−6557

三保沖アコウ乗合い1人12000円(氷付き)