伊豆半島各港から出船する深場釣りといえば重さ1.8kg以上の鉄筋オモリと「コマンドX9HP」以上クラスの大型電動リールを使用しての釣りスタイルとなるが、東伊豆川奈港の市太郎丸では250号オモリと「コマンドX4、5、6」といったライトスタイルで、敷居が高いイメージの深場釣りをビギナー釣り師にも手軽に楽しませてくれる。  ライトスタイルの釣りとはいえ釣り場は東伊豆川奈港から航程60〜90分、伊豆半島と伊豆大島との丁度中間辺りの200〜500メートルダチ。稲取や下田港からもキンメやムツ、アコウといった深場の魚を狙って職漁船、遊漁船が集結する本場の一級ポイントだけに、スタイルはライトでも本場ならではのヘビィーな釣果が期待できる。


  

 オモリは250号を使用するが、表示の錘負荷よりワンランクライトなものがお薦め。私のお気に入りロッドは感度も高く、粘り強い性能を持つ「パワーファイター」の200-M。これ1本さえあれば500号錘を使用する釣りまでカバーできる!

  

 市太郎丸のレンタルリールが「コマンドX4」であることのように、この釣りでの最適リールは「コマンド4・5・6」シリーズ。中でもコマンドX4HPと同X6HPは私が高く推奨する電動リールだ。道糸はPE8号を800メートルでOK。

  

 船宿仕掛けは幹糸16号1.6メートル間隔、ハリス12号90センチ、ハリはムツ17号でハリ数は10本、オモリは250号を使用する。 深場釣り未経験者が最も心配する場面が仕掛けの投入だが、ハリ数も少ないのでエサを付けたハリを船縁に並べ、船長の合図でオモリを投げ入れるスタイルでOK。それでも心配ならばハリ数を5本程度に落として確実に投入をこなしていくことが賢明だ。 また、風の強い日などは船縁に並べたハリが飛ばされてしまうこともあるので、「フックプレート」を用意しておくことを勧める 道糸と仕掛けの接続部には「キャラマンリングI型」を介す。仕掛けの回転から生じるヨリが道糸に伝わることを防止するパーツは深場釣りでは必需品。「ヨリトリチェーン6×5号」も併せて接続すればヨリ取り効果は更に向上する。 市太郎丸では前半キンメ・ムツ、後半はアコウ狙いといったリレースタイルなので、アコウに対し集魚効果が高い「フラッシュカプセルDX」とエサと併せてハリに付ける「イカキッタン」も忘れずに用意しておきたい。



 隔週間つり情報の取材を兼ねて4月6日に釣行。10名のアングラーを乗せて一路南沖へ向かった。  一昨日までは潮に適度な濁りが入りキンメ、ムツが好調だったとのことだが、昨日の大シケの影響で当日は潮が速い真潮に変わってしまい魚探の反応もイマイチ。そんな条件下でもベテラン船長が的確にポイントを定め、助手の若船長の親切なサポートの甲斐もあって仕掛けを投入すれば、はるか深海からキンメ・アコウのアタリが毎回安打!  終わってみれば、トップでキンメ15枚、アコウ6本の好調果。途中シマガツオの邪魔がなければもう少し釣果は伸びていたであろう。  市太郎丸では周年、深場根魚五目で出船。これからは海況も穏やかな日が多くなるのでビギナーが釣行するには最適のシーズンとなる。若船長が常時助手として乗船しているので全くの深場釣り初心者でも安心して釣行できる船宿だ。

川奈港 市太郎丸
0557−45−0061
深場根魚五目乗合1人16,000円(エサ、氷付き)