錘300号(潮が極端に速い場合は350号も)を使用するが、ロッドは200〜250号クラス・グラス素材の深海専用モデルをお勧め!マキシムパワープレミアム210L又は240Lが最適。使用錘よりもライトなモデルをセレクトするのは巻上げ時のバラシを抑える事を最優先に考えたもの。大ムツは錘を海底から1〜2m浮かせてアタリを待つため、オニカサゴやアコウには必須条件である「底トントン」を積極的に演出する事はしない。棚的にはむしろ「やや上」を常に意識し、根掛りさせない事を優先する。(但し、底ダチの取り直しは頻繁に行う。これが誘いの役割も果たす)



PE8号を600m以上、理想的には800m巻けるモデルが欲しい。サバフグによる「高切れ」はこの時期は滅多に無いが、縄切り(タチモドキ・クロシビカマス・イカ類などと考えられる)による道糸切れはある程度避けられない部分があるため、水深の2倍はラインを巻いておきたいところ。又、バラムツの抵抗に負けないパワー、後述する「魔の250mライン」を乗り切るためのスムーズなドラグも欠かせない。お勧めはコマンドX6HP、CX4HP。これはキンメにも有効だ。
 尚、緑龍丸では座席脚部に電源を設置、キーパーも用意されているので持参する必要はない。



鈎数は5本と深海釣りとしては少ないが、別図のようにハリス・幹糸ともかなり長めの設定。又、ライト上下のチェーン(縄切り対策)ハリスに配した発泡玉浮きなど、独自の工夫が凝らされている。僕自身は鈎にこだわり、「ホタ釣」(ほたつり)という特殊なネムリの18号を注文し、大ムツ専用に使用している。因にハリス・幹共に長いこの仕掛は船ベリに鈎を並べて錘を放り投げる一般的な方法ではスムーズに投入できない可能性があるため、投入は以下の手順を取る。 
1.両手人差し指に指サックをはめる。
2.順序良く船ベリに仕掛を並べる。
3.一番下鈎の位置に立ち、ロッド側を向く。
4.海側の人差し指に捨て糸を掛けて錘を吊し、船側の手は一番下のサルカンを握る。
5.合図と共に錘を海中に入れ、海側の手で一番下のハリスの鈎に近い部分を摘んで、軽く前方に投げ込む。
6.船側の手のホールドを緩める。海側の人差し指で素早く幹糸を掬い上げるようにし、指サックの上(指の腹側)を滑らせる。
7.2番目のサルカンが船側の手に触れた所で再びホールドし、
8.海側の手で鈎を投げ込む。
9.以降繰り返し行い、投入完了。 
 ポイントは仕掛が自分に寄って来るのではなく、投入しながら、船ベリに沿って自分がロッド側に寄って行く事。最初はロッドから遠い位置に立つが、投入が終わった段階ではロッドのすぐ横に居る、と言う訳だ。餌:サンマの半身斜め半割りとスルメイカの短冊が一般的。入手できればカツオのハラモやソーダガツオも有効。何れも大振りの短冊にカット。魚餌には軽く塩をする事(イカは不要)。グルタミン酸で「味付け」する裏技も有り。餌は予めその旨を伝えれば船でも用意してもらえる。